「食品ロス」とは、「まだ食べられるのに捨てられてしまう食品」のことで、その量の多さから世界規模で問題になっています。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))の12番目の目標としても「食品ロス」問題が掲げられました。
また、コロナ禍の影響を受け、数々のお店が閉まることになり、たくさんの「食品ロス」が発生したということで、近年TVなどでも話題になってます。
日本では年間約600万トンもの食品が廃棄されています。一人当たりで考えると、なんと年間50キロの食品を捨てていることになります!
これだけの量の食べ物が捨てられているので、一人ひとりが意識することで、確実に食品ロスを減らしていくことができます。
「とはいっても食品ロスのために何をしていいかわからない…」
「普段から食材を無駄にしないように気をつけているけど、他にできることはないかな…」
と感じている方に、ここでは生活の中で気軽に取り入れられるフードロス削減のためのヒントをご紹介します。
小さなことでも一人ひとりが意識して取り組むことで、大きな削減に繋がります。ぜひ自分にできそうなことから、やってみてくださいね。
食品を買う時は、手前にある商品から買う
食品を買う時は、なるべく手前の商品を手に取るようにしてください。
つい賞味期限まで期間のある、後ろ側の商品を求めがちですが、それでは手前にある商品は売れ残る可能性が高くなってしまいます。
売れ残った商品はまだ食べられるにも関わらず、そのまま廃棄されロスになるケースがほとんどです。後ろにある食品を買って家庭内で長持ちしたとしても、お店から食品ロスが生まれるなら意味がないですよね。
私も以前は後ろ側の商品を手に取って、何となく得した気分になっていましたが、フードロスの原因になることに気づき止めました。
自身の食べきれる期間を考慮しながら手前の食品を買うことで、お店の食品ロスを防ぎましょう。
食べきれない食品は買わない・注文しない
自分の食べきれる分の食品を買う・注文するようにして、食品ロスを出さないようにしましょう。
安かったり美味しそうに見えたりすると、つい余計なものまで買ってしまいがちですが、結局食べきれないことってありますよね。
それでは食品もお金もムダになるので、自分たちの食べきれる分量を把握しておく必要があります。
ここで、食べきれない食品を買わないためのポイントを3つご紹介します。
- 買い物の前に、冷蔵庫にある食材をチェックする
- 事前に買うものをメモ書きしておく
- まとめ買いを控えて、必要な分だけをその都度買う
以上のポイントを抑えることで、ムダ買いを防ぎます。なるべく必要なものだけを購入するように意識しましょう。
食べきれない商品はお持ち帰りして食べる
外食時は事前に自分のお腹と相談して、食べられる量だけ頼むことが大切です。しかしつい料理を頼みすぎたり出てきた料理の量が思ったより多かったりして、食べきれないこともあります。
そんな時はお店の人に「お持ち帰りしてもいいですか」と一言聞いてみましょう。
衛生的な問題から持ち帰りを禁止しているお店も多いですが、近年フードロスを減らすためにお持ち帰りを推進しているお店も増えてきています。
聞くのが躊躇われるかもしれませんが、海外では当たり前に行われています。
ドギーバックで食べ物を持ち帰る
『ドギーバック』をご存知でしょうか。
『ドギーバック』は、お店で食べきれなかった食品を持ち運ぶための容器のことで、海外で一般的に普及している文化でもあります。
(自宅で待っている犬[ドギー=doggy]のための餌を言い訳に、食事を持ち帰ることからドギーバックと言われ始めたそうです。)
持ち帰った後の食品の衛生問題については自己責任ですが、ドギーバックを使うと食品ロスを大幅に減らすことができます。
大手飲食チェーンでも食べ残しを持ち帰るサービスが実施されています。
- すかいらーくグループ(ガスト、バーミヤンなど)
- ロイヤルホスト
- びっくりドンキー
以上の店舗では店側で容器を用意してくれます。(店舗によっては有料の場合もあり)
すかいらーくグループでは、無料で「もったいないパック」を提供しており、手元のタブレットから「もったいないパック」を注文することが可能です。(画像参照)
お店で食べ残した食品は、確実に廃棄となりますので、こうしたものを積極的に活用して、自らがお店でロスを出さないようにしてみましょう。
ドギーバックには自身で持ち運びでき、洗って何度も使えるタイプのものもあるので、日本でも今後普及していけば良いですね。
食品を適切に保存・調理する
買ってきた食品を適切に保存できると、食品が長持ちしてフードロスを防げます。
間違った方法で保存すると食品の劣化が早くなる・質が悪くなる原因になるからです。食品を美味しく食べるためにも、食品に明記されている保存方法に従うように気をつけてください。
また家にある古い食材から調理して、上手く使い切ることも大切です。
作りすぎた場合は適切に冷凍して後日食べたり、別のアレンジでリメイクしたりするなど工夫してみましょう。
野菜を保存・調理する
野菜を長持ちさせるためにも、以下のポイントを意識して適切に保存しましょう。
- 野菜を立て置くなど、育った状態に寄せて保存する
- 葉野菜は湿ったペーパーでゆるく包み、葉っぱは立てておく
- 葉っぱのついた根菜は、葉の部分を切って新聞紙にくるむ
- キャベツやレタスの芯をくり抜き、空いたところに湿ったペーパーをつめる
また買ってきてすぐの下処理もおすすめです。面倒に感じますが、意外と楽にでき野菜も傷みにくくなります。
- 3、4日程度で使う野菜は、よく使う形に切って冷蔵保存する
- 根菜は切ったら変色を防ぐために水につけて冷蔵保存する
- もやしなどの傷みやすい野菜や、葉野菜などは事前に茹でておく
以上を意識しながら下処理しておくと、調理時間の短縮にもなります。
食べきれない野菜は細かく切って、スープにしたり味噌汁に入れたりすると、たくさん食べられます。
野菜の皮も捨てずに利用できると、フードロスだけではなく、栄養価も上がるため、健康面からもオススメです。
肉や魚を保存・調理する
肉や魚など生ものを買ってきたら、できるだけ新鮮なうちに食べましょう。
保存する際は空気に触れないようにすると長持ちします。ポイントは以下の通り。
- 肉の場合は、水気をペーパーで抑えラップで包み、袋に入れて冷蔵・冷凍保存。
- 魚の場合は、はらわたを取り除き塩を振って水分を出した後、ペーパーで水気を抑え、袋に入れて冷蔵・冷凍保存。
また、味噌やしょうゆ、好みのオイルに漬けておくことで下味をつけながら長く保存することもできます。
下味をつけた肉・魚は、焼いたり蒸したりするだけと簡単に調理できる上に、旨味も増すのでぜひ試してみてくださいね。
▲正しいお肉の冷凍保存術をご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください▲
訳あり食品を購入する
訳あり食品とは在庫処分品や賞味期限が近い商品、欠陥がある商品、B級品など、正規で販売できない商品で、通常より安く販売していることが多い食品です。
コロナウイルスの影響でより、そのような訳アリ商品がたくさん市場に出回るようになりました。
店舗だけではなく、訳あり食品を販売する通販サイトも多く立ち上がりました。実際に食品の在庫を多く抱えた業者が出品するケースが増えています。
自宅時間が増えたことで、家で美味しいものを楽しみたい人たちにとっても、経営に困っている業者にとっても嬉しいサービスですよね。
訳ありとはいえ、正規のものと味も質もほとんど変わらない場合が多く、私も好きなスイーツやフルーツを取り寄せて美味しくいただいています。
また訳アリ商品を購入することは、食品ロスを防止するのにも一役買います。
フードロスを防ぐためにもお店や生産者を支えるためにも、ぜひ通販サイトを活用してみましょう。
もったいないをつなぐ 在庫ロス売買マーケット「ロスオフ」を活用
ロスオフは、全国の在庫ロスを抱える「生産者・卸業者・販売者」と「購入者」を直接つなぐオンラインマーケットです。
各出品者自らが、訳あり商品を出品していているので、お得に商品を購入することができるだけでなく、生産者の方と直接やり取りし、購入できる訳あり品を扱うサイトです。
市場には出回らなかった商品もあり、新たな発見もある通販サイトです。
ロスオフから商品を購入することで、もちろん食品ロス解消にも一役買いますので、ぜひ活用してみてくださいね。
余分な食品はフードバンクで寄付する
フードバンクという、まだ食べられる食品でも、商品の箱が壊れているなどの理由から販売できない商品を預かり、必要としている人に無償で提供する活動があります。
企業はもちろん、個人でも寄付できるため、家に食べきれない食品がある方におすすめです。
賞味期限が近い食品や食べかけの食品を除けば、基本的に加工食品・穀物・野菜・果物など色々なものを寄付できます。
食品ロスを防ぎながら、食べることに困っている方々への支援もできるので、ぜひ活用したいですね。
フードバンクは全国各地で活動を行っているので、お近くの拠点を調べてみてください。
▼全国フードバンク推進協議会 加盟フードバンク団体一覧▼
https://www.fb-kyougikai.net/groups
家庭でできる小さなことから実践して、食品ロスを減らす
いかがでしたでしょうか。
今回は「食品ロス」を減らすためにできることについてご紹介しました。
食品ロスは大きな問題ですが、一人ひとりの小さな心がけによって確実に減らせます。
ぜひ今回の紹介したヒントを元に、自分にできそうなことからやってみましょう!
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